2004年1月19日月曜日

『ハウルの動く城』

待望の宮崎駿の作品『ハウルの動く城』。お正月早々には公開後最速で1000万人の動員を突破し、新日本記録を樹立した。「面白かった」という声は巷であまり聞かなかったので、この新記録にはびっくりした。

これはたぶん、公開スクリーン数が日本映画史上最多であったことが要員の一つ。シネコン流行で地方にも映画館が増え、映画館に足を運ぶ人の数が増えているからではないかと思う。

『千と千尋の神隠し』が公開された当時、私は映画館で働いていた。ものすごい人気で、映画館のキャパを超える観客が押し寄せた。それらの観客をさばくのに馬車馬のように働いた。お客さんのことを「さばく」と言ってはいけない。だけどもうさばくがごとく働かなければ、全てが回らない。そう言ってマネージャー陣とサービスの低下を恐れながらも、機械的な笑顔を振りまき猛烈に映画館を回していくことを決意した。

最速で1000万人の動員と聞いて、さぞかし映画館はてんやわんやしているだろうと思い、『千尋』を乗り越え今も映画館に勤務している友人に電話してみた。すると意外なお返事が。

「ハウルは思ったよりおとなしいねぇ。上映中の作品の中で一番動員は多いけど、千尋と比べれば全然混雑していない。感動したって言葉もあまり聞かないしね」と少し物足りなげ。

実際、先週観てみたのだが、驚きと新鮮味がおとなしく心の響き具合が少なかったと思う。最速で1000万人の動員から、千尋の2350万人動員を超えるかどうかはこれから試されるところ。

0 件のコメント: